福島地方裁判所 昭和55年(わ)13号 判決 1980年3月27日
(一)本店所在地
福島県田村郡三春町大字平沢字田畑二七六番地
商号
株式会社大津商会
代表者氏名
大津憲次
(二)本籍
福島県田村郡三春町大字平沢字田畑二七六番地
住居
右同所
職業
会社役員
氏名
大津憲次
生年月日
昭和一六年一月一六日生
右両名に対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官太田文保出席のうえ審理し、次のとおり判決する。
主文
被告人株式会社大津商会を罰金八〇〇万円に、被告人大津憲次を懲役六月に、それぞれ処する。
被告人大津憲次に対し、この裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人株式会社大津商会(以下被告会社という)は、福島県田村郡三春町大字平沢字田畑二七六番地に本店を置き、鉄骨建築請負業を営むものであり、被告人大津憲次は、右会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人大津憲次は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、
第一 昭和五一年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額が六四、〇九〇、八二四円で、これに対する法人税額が、二四、七九六、〇〇〇円であるにもかかわらず、架空仕入を計上して、これによって得た資金を架空名義の定期預金にするなどの行為により、右所得金額中五九、五三二、一六二円を秘匿したうえ、昭和五二年二月二八日福島県郡山市堂前町所在の所轄郡山税務署において、同税務署長に対し、当該事業年度の所得金額が四、五五八、六六二円で、これに対する法人税額が一、二七六、二〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税二三、五一九、八〇〇円を免れ
第二 昭和五二年一月一日から同年一二月三一日までの事業年度において、被告会社の実際所得金額が二四、〇〇七、二三七円で、これに対する法人税額が八、七六二、八〇〇円であるにもかかわらず、前同様の行為により、右所得金額中一二、二五六、一七九円を秘匿したうえ、昭和五三年二月二八日前記郡山税務署において、同税務署長に対し、当該事業年度の所得金額が一一、七五一、〇五八円で、これに対する法人税額が三、八六〇、四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により法人税四、九〇二、四〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)における左記番号欄の標目記載と同一であるから、これを引用する。
判示全事実について
1、4、9、11、12、15乃至38、41、42、45、48乃至75
判示第一の事実について
2、5、8、13、39、43、46
判事第二の事実について
3、6、7、10、14、40、44、47
(法令の適用)
判示各所為は、被告会社の関係ではいずれも法人税法一六四条一項、一五九条、七四条一項二号に、被告人大津憲次の関係ではいずれも同法一五九条、七四条一項二号に該当するところ、被告会社の以上の各罪は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により所定罰金額を合算した金額の範囲内で被告会社を罰金八〇〇万円に処し、被告人大津憲次については、判示各罪につきいずれも所定刑中懲役刑を選択し、以上は同法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本文、一〇条により犯情の重い判示第一の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役六月に処し、同被告人に対し情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から二年間その刑の執行を猶予することとする。
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 青野平)